あにめたまご2018「若手育成講座Ⅰ」(2日目)
2017.09.05
こんにちは、あにめたまご広報担当Tです! 
今回は8月3日に開催された「あにめたまご2018」若手育成講座Ⅰ(2日目)の様子を紹介していきます。


この日はアニメーターの稲村武志氏を講師に迎え、アニメーション表現の基礎を学ぶ講座「表現する講座」から始まります。
この講座では、見た人に伝わるとはどういうことか、単純な絵で単純な動きを作ってみて、それが他者に自分の意図したように伝わるかどうかを確認し、
その中で、自分が感じていることと他の人の感じ方の共通範囲を再認識して、アニメーションとしての表現に生かす、ということを学びました。



2コマ目の講座は、片渕須直氏(アニメーション監督)を講師に迎えた「オノマトペで演技を考える」。片渕氏は最初に「皆さんの視野はどれくらいあると思いますか?」と伸ばした両手の指を立てては広げていき、その視野を確認させます。続けて「では、その視野の中で色が付いているのはどれくらいだと思いますか?」と質問。なんとこれがたったの6度ほどで、それ以外の視野覚で見えている風景の色はイメージで補完しているのだそうです。さらに片渕氏は「実は人は頭の中で動画を作れないんです。でも静止画はイメージできる」と続けます。
頭の中で動画を作れないのならば、表現したい動きをどうやってアニメーションに落とし込んでいくのか? その解答のひとつが「自らがやってみて、オノマトペを口に出してイメージを補完していく」でした。アニメを作る際には「自分がイメージできる静止画を、見る人のイメージしている動画に近づけることが大切です」と語る片渕氏。もちろん自らも一連のシーンを描く際には実際に口に出して整合性を取ると言い「ただ、大量のミサイルが飛んでくるみたいなシーンを描いている姿は、絶対に誰にも見られたくないですね」と語っては笑いを誘っていました。



この日最後の講座は、前日に続いて神志那弘志氏(株式会社スタジオ・ライブ 代表取締役/アニメーション監督)の「レイアウト講座その2」。
10cm正四方体が顔から30cm、50cm、1m先にあるとイメージしてそれを用紙に描き出していくパーストレーニングから始まり、カメラ位置、アイレベルなどの復習、そして本日の本題「空間把握」に移っていきます。講義では前日に引き続き、カメラの場所と空間を意識したレイアウトを学んでいく若手アニメーターたち。最後に神志那氏が言った「アニメーターに問われるのは模写力ではなく、デッサン力」がこの空間把握の重要性を指したひと言にも思えました。



ひとつの絵を描き、それをどの角度からでも同じもの・場所として捉えて描けることがアニメーターに必要とされるスキル。綺麗な絵はその次。「キャラクターがいる空間を正確に捉える」。これがアニメーターに求められる能力なのでしょうね。


次回は、若手育成講座Ⅰの最終日、3日目の様子をお届けいたします。